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[2026年10月第2週] Web業界ウィークリー:WordPress 7.1.3・Let’s Encryptが64日証明書へ・Chrome 155でJPEG XL

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Web業界ウィークリー 2026年10月第2週

今週(10/5〜10/11)は、10月6日にWordPress 7.1.3とChrome 155が同じ日に出て、翌7日にはLet’s Encryptが証明書の有効期間を短くすると発表しました。前号で「来週には完了の見込み」と書いたGoogleの9月スパムアップデートも、10月7〜8日ごろに終わっています。

読む章の目安です。WordPressサイトを持っているなら1章、サーバーやSSLの更新を自分で管理しているなら2章、画像やCSSを扱うなら3章、検索流入を見ているなら4章です。

目次

WordPress 7.1.3(10/6)— 承認待ちのコメントから管理画面にXSS

10月6日にWordPress 7.1.3が公開されました。セキュリティ修正7件を含む更新で、公式は直ちに更新するよう呼びかけています。7.1.1(9/17)、7.1.2(9/22)に続き、3週間で3回目のマイナー更新です。

出典: WordPress.org — Version 7.1.3

WordPress 7.1.3で修正された7件と、コメント欄が絡む修正の流れ
WordPress 7.1.3 の修正7件

制作・運用の側で特に気にしたいのは次の2件です。

  • コメント管理画面のストアドXSS: 承認待ちのコメントを経由して、管理画面でスクリプトが動く。報告はTrail of BitsとOpenAIの共同
  • 非公開・未公開の投稿についたコメントの漏洩: ログインしていなくても、非公開の投稿のコメントが見えてしまう。報告はPatchstack

ほかに、Imgurの埋め込みでのXSS、WXRエクスポート(記事の書き出し)での二次的なSQLインジェクション、URL処理でのサービス妨害、投稿者権限で記事を先頭固定できてしまう問題、フック名の衝突を起こせるパラメータの問題が直っています。修正は旧バージョンにも配られています。

コメント欄が絡む修正は、これで4週間のうち3回目です。 9月17日の7.1.1では段落整形を経由したXSS(承認が条件)、9月下旬に公表されたThe Events Calendarではコメント経由の未認証RCE、そして今回の管理画面のXSSです。今回のものは「承認待ちのコメントを管理者が一覧で見る」という、ごく日常的な操作が入口になっている点が嫌なところです。

前号で「マイナーリリースの自動更新だけは有効にしておく」線引きを勧めましたが、3週連続となると、この設定の有無で手間がまるで違います。 手動で回しているサイトが多いなら、今回を機に設定を見直す価値があります。

💡 今すぐ試せる: 管理画面の「ダッシュボード → 更新」で7.1.3になっているかを確認する。あわせて、コメント欄を使っていないサイトは「設定 → ディスカッション」で新規投稿のコメントを閉じておく

Let’s Encrypt が証明書を64日に短縮(10/7発表)— 更新間隔を決め打ちしている設定は要確認

10月7日、無料のSSL証明書を発行しているLet’s Encryptが、2027年2月10日から、証明書の既定の有効期間を90日から64日に短くすると発表しました。

出典: Let’s Encrypt — 64-day certificates

  • 2026年10月14日: ステージング環境で64日の証明書の発行が始まる。本番の前に試せる
  • 2027年2月10日: 本番の既定が64日になる。45日や6日を選ぶこともできる
  • 2027年5月11日: 最後の90日証明書が期限切れになる見込み。有効な証明書が途中で失効させられることはない
  • 2028年: さらに45日へ短くなる予定

影響が出るのは、更新のタイミングを日数で決め打ちしている環境です。 「期限の30日前に更新」のような設定は、ほとんどのレンタルサーバーの自動更新なら気にしなくて済みます。問題になるのは、自分でcronやスクリプトを組んでいる場合です。Let’s Encryptは、有効期間のおよそ3分の2の時点で更新する設定に変え、スクリプトや手順書の中にある「83」「80」「60」といった数字を探すよう勧めています。90日を前提にした定番の値です。

更新のタイミングをサーバー側から教えてもらう仕組み(ARI)に対応したクライアントなら、基本的に自動で調整されます。 自分のツールが対応しているかは、ドキュメントで確認できます。

クライアントのサイトをVPSで預かっている場合が、いちばん見落としやすいところだと思います。 何年も前に組んだ更新スクリプトがそのまま動いていて、誰も中身を覚えていない、という状態が珍しくないからです。2月まで時間はありますが、ステージングで試せる10月14日以降に一度確認しておくと安心です。

💡 今すぐ試せる: 自分で証明書を更新しているサーバーがあれば、cronや更新スクリプトの中を「83」「80」「60」で検索して、日数の決め打ちがないかを確かめる

Chrome 155(10/6)— JPEG XL を表示できるように、CSSには margin-trim

10月6日にChrome 155が公開されました。2週間サイクルの3回目です(153・154・155)。

出典: Chrome Platform Status — Chrome 155 Release Notes / GIGAZINE — Google Chrome 155 stable version released / gHacks — Chrome 155 With 247 Security Fixes

画像まわりで大きいのが、JPEG XL(image/jxl)を表示できるようになったことです。 デコーダーにはRustで書かれた実装が使われています。JPEG XLは、同じ画質ならJPEGより小さくでき、既存のJPEGを劣化なしで変換し直せるのが特徴です。Safariは以前から対応しています。Firefoxの安定版での対応は確認できていないので、使うなら <picture> で他の形式を併記する形になります。

<picture>
  <source srcset="photo.jxl" type="image/jxl">
  <source srcset="photo.avif" type="image/avif">
  <img src="photo.jpg" alt="…" width="1200" height="800">
</picture>

CSSでは margin-trim が実務で効きます。 カードの中の見出しや段落に一律でマージンを付けると、先頭と末尾のマージンが余計な余白になります。これまでは子要素の側で打ち消していましたが、コンテナに1行書けば済むようになりました。

See the Pen margin-trim — 最後の子の margin-bottom: 0 を書かなくていい by BaseKENT (@basekent) on CodePen.

/* 従来: 子要素の側で、最初と最後だけ打ち消していた */
.card > :first-child { margin-block-start: 0; }
.card > :last-child  { margin-block-end: 0; }

/* Chrome 155〜: コンテナ側に1行 */
.card { margin-trim: block; }

デモでは、何もしない場合に上下34px前後ある余白が、カードのpadding分の19pxに揃うのを実測で表示しています。効くのはブロックコンテナと段組みで、flexやgridの子には効きません。 Safariは以前から対応していて、Firefoxは未対応です。

このほか、@counter-style を宣言せずにリストの記号を決められる symbols()、下線が空白を飛ばすかを決める text-decoration-skip-spaces、JavaScriptからテキストファイルをモジュールとして読み込める import … with { type: "text" }、Web Cryptoへの耐量子暗号(ML-KEM、ML-DSA)の追加などが入りました。セキュリティ修正は247件で、そのうち4件が緊急とされています。

💡 今すぐ試せる: 自分のCSSを :last-child で検索し、margin-bottom: 0 や margin-block-end: 0 を打ち消しのためだけに書いている箇所を探す。そこが margin-trim に置き換えられる候補になる

Googleの9月スパムアップデートが完了(10/7〜8ごろ)

前号で「展開中」と書いたGoogleの9月スパムアップデートは、9月24日の開始から約13日16時間で完了しました。 完了は10月7〜8日ごろです。

出典: Google Search Status Dashboard — Ranking

2026年のスパムアップデートとしては、異例に長い展開でした。 3月は19時間半、6月は2日1時間、8月は2日16時間で終わっていて、2週間近くかかったのは今回だけです。Googleは対象にしたスパム手法を明らかにしていません。

前号で「完了してから比べるのが順番」と書いたとおり、ここからが確認のタイミングです。 展開が長かったぶん、途中経過の数字には揺れが混ざっています。

💡 今すぐ試せる: Search Consoleで、9月24日より前の2週間と、10月8日より後の数日を比べる。大きく落ちたページがあれば、内容の薄さや重複がないかを見る

今週のひとこと

WordPressのマイナー更新が3回続き、Let’s Encryptは証明書の寿命を縮めると発表しました。どちらも、人が覚えて手で回す運用を成り立たなくする変化です。任せられる更新は自動に任せ、決め打ちの数字は今のうちに外しておきましょう。来週は13日(火)にFirefox 158が出る予定です。

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ベースケント合同会社(BASE KENT)代表 / Webデザイナー・Web制作者。

「空白をデザインする」をテーマに、Webコンテンツ制作とデジタルマーケティングを展開。
暮らしとWeb制作の実用情報メディア「Ex-TORANOMAKI」、雑学メディア「どうせヒマなら」を運営しています。

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