今週(6/1〜6/7)は「一区切り」と「始まり」が重なった週でした。5月21日から展開されていたGoogleコアアップデートが6月2日に完了し、同日ChromeはGap Decorationsを正式リリース。そして6月18日に迫るGemini CLI廃止のカウントダウンが続いています。週をまたいでGutenberg 23.3(6/3)もReact 19対応を完了しました。
Google May 2026 コアアップデート完了 — AI Overview 25億ユーザー時代のSEO
5月21日に開始したGoogleのコアアップデートが6月2日に完了しました。展開期間は12日間。今回の特徴はSEOとAI引用が「同じ評価軸」に収束しつつあることです。
出典: Search Engine Land — Google May 2026 Core Update / Google Blog — AI Overviews Update
展開完了と合わせてGoogleが公表した数字が注目を集めています。AI Overviewのユーザー数は25億人超(前回比+67%)、AI Modeは10億人超。検索の「入り口」が確実にAIに移行しているのがデータから見えます。
今回のアップデートで影響を受けやすいカテゴリとして挙げられているのは金融・医療・EC・SaaS・ローカルビジネス。共通しているのは「専門家が書いたか、実際の経験があるか」という評価軸の強化です。AI生成コンテンツ全体への評価が下がったわけではなく、「文脈のない大量生成コンテンツ」との差別化が進む方向性です。

「SEOの最適化」と「AI Overviewに引用される」は、今や同じ作業を指しています。E-E-A-Tを高めて一次情報を盛り込んだコンテンツは、検索順位でも評価され、AI引用でも選ばれやすい。二分して考える必要がなくなってきました。
💡 今すぐ試せる: Google Search Consoleで5/21〜6/2の期間を確認。クリック数・表示回数の変化を把握して、今後の対策の基準点にする
Gemini CLI 廃止 6/18 — CI/CDスクリプト、残り11日で確認を
GoogleがGemini CLIを6月18日に廃止することが確定しました。Antigravity CLIへの移行を公式が推奨しています。
出典: Google Developers Blog — Gemini CLI Deprecation
廃止対象はCLIツール本体と、そこに依存しているSDKの旧バージョン。特に影響が大きいのはCI/CDパイプラインに組み込んでいるケースです。GitHub ActionsのYAMLファイルや、デプロイスクリプトの中で gemini コマンドを呼んでいる場合は6/18を超えると動かなくなります。
移行先のAntigravity CLIはコマンド体系が異なるため、単純な置き換えではなく引数の確認が必要です。基本的な generate 系のコマンドは同等の機能がありますが、認証方法が変わっています。
自分のGitリポジトリ内に gemini コマンドが含まれるワークフローがあれば、今すぐ確認して移行を始めるのが安全です。「6/17に対応しよう」は遅い。移行テストに思わぬ時間がかかることがあります。
💡 今すぐ試せる: リポジトリ内で grep -r "gemini" .github/ を実行してGemini CLIを使っているワークフローを洗い出す
Chrome 149(6/2)— CSS Gap Decorations が安定版に
Chrome 149が6月2日にリリースされ、CSS Gap Decorationsが正式に安定版へ。グリッドやフレックスのギャップに、CSSだけで直接スタイルを適用できるようになりました。
出典: Chrome for Developers — Gap Decorations Stable
.grid {
display: grid;
gap: 20px;
column-rule: 2px dashed #6366f1; /* 列間 */
row-rule: 1px solid #334155; /* 行間 */
}
/* Flexboxでも同様に使える */
.nav {
display: flex;
gap: 16px;
column-rule: 1px solid #334155;
}
これまでグリッドアイテムの間に区切り線を入れるには、::after 疑似要素・ネガティブマージン・background: linear-gradient を使ったハックが必要でした。特に最後のアイテムだけ線を消す :last-child のセレクタ管理は地味に面倒でしたが、column-rule 一行で解決します。
column-rule-inset でギャップ内の線の長さ(両端の余白)を制御したり、repeat() で交互パターンを作ったりといった細かい制御も可能です。現時点ではChrome 149+のみ対応で、FirefoxとSafariは実装中(Can I Use で最新情報を確認してください)。プログレッシブエンハンスメントとして使うのがベストです。
See the Pen Untitled by BaseKENT (@basekent) on CodePen.
ギャップの装飾のためだけにgridの構造を変えたり、疑似要素を増やしたりしていた部分がシンプルになります。CSS Containerクエリ・@scope・@starting-style・Anchor Positioningと続いてきた「JSハック不要化」の流れの一つです。
💡 今すぐ試せる: Chrome 149でDevToolsを開き、既存グリッドの要素に column-rule: 1px solid red と入力して挙動を確認してみる
Gutenberg 23.3(6/3)— React 19 アップグレード完了・plugin開発者は対応確認を
6月3日、WordPressのブロックエディターGutenbergがバージョン23.3をリリースしました。最大の変更点はReact 19へのアップグレードです。テーマ開発者にはほぼ影響なし。ブロックプラグインを開発・メンテしている方が主な確認対象です。
出典: Make WordPress Core — Gutenberg 23.3 Release
React 18からReact 19への変更で影響が出やすいのは以下のエリアです。
useState/useReducerの非同期処理の挙動が変わった箇所- 廃止予定だった
ReactDOM.renderに依存しているプラグイン refのAPIが変更されたコンポーネント
エディター体験の改善として、メディアライブラリの操作がモーダルベースに変わり、画像選択・トリミング・詳細設定の流れがリデザインされました。Gutenberg 23.3はWordPress 6.9以降での正式適用予定。
エンドユーザー側で急ぎ対応が必要なことはありませんが、ブロックプラグインを開発・メンテしている方は23.3の変更ログをひと通りチェックしておくことを推奨します。React 19の破壊的変更に引っかかっているかどうかの確認は早いほうがいい。
💡 今すぐ試せる: 開発中のGutenbergブロックプラグインがあれば、ローカル環境でGutenberg 23.3 + React 19の組み合わせでテスト実行してエラーを確認する
今週のひとこと
今週を1本に絞るなら「AI Overviewが25億ユーザーを超えた事実」です。SEOとAI引用最適化が同じ方向を向き始めた今、「誰かに役立つ一次情報を持つコンテンツを作る」という本質的な部分だけが残ります。Gemini CLIの廃止はすぐに動かないと困る緊急案件なので、CI/CDを組んでいる方は今週中に必ず確認を。



