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Web制作の単価を上げるための思考法 — 安売りから抜け出す5つの視点

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Web制作の単価を上げるための思考法

「もっと単価を上げたいけど、どうすれば…」という悩みは、フリーランスのWeb制作者なら一度は持つものだと思います。私もかつて同じ場所でずっと足踏みをしていました。スキルを磨いているのに単価が上がらない。新しい技術を覚えても仕事の値段は変わらない。

振り返ってみると、問題はスキルではありませんでした。「単価が上がらない」本当の理由は、技術力の不足よりも「思考の枠組み」の問題でした。単価は値上げを宣言すれば上がるものではなく、クライアントの目線で自分の価値をどう見せるか、どんな仕事を選ぶか、という戦略の話です。

この記事では、私が実際に試して単価改善につながった5つの視点をまとめます。「技術は十分あるのに単価だけ上がらない」と感じている方に、何か参考になる部分があれば嬉しいです。

なぜ単価が上がらないのか

単価が停滞しているフリーランスには、共通するパターンがいくつかあります。

「何でもできます」状態になっている: 強みを絞り込まずに何でも受けていると、クライアントからは「汎用的な作業者」として認識されます。代わりが効く存在は、価格競争に巻き込まれやすい。

実績の見せ方が弱い: 良い仕事をしているのに、それが伝わっていないケースは多いです。ポートフォリオが「作ったものリスト」になっていて、「どんな課題をどう解決したか」が伝わっていない。

値段を先に決めてしまっている: 相場を調べて「このくらいかな」と先に金額を決め、そこから交渉されるパターンが固定化すると、単価は下がる一方です。

これらに心当たりがある場合、次の5つの視点が参考になるかもしれません。

Web制作の単価を上げる5つの視点
単価を上げるための5つの視点
目次

単価を上げる5つの視点

1. 「何でもできる人」から「これなら任せたい人」へ絞り込む

単価が高い人は、たいていの場合「強みが明確な人」です。「Webサイト全般を作れます」より「BtoB向けの採用サイト専門」や「飲食店のオンライン予約導線に強い」という方が、特定のクライアントにとっての価値が明確になります。

専門化することで「選ばれる理由」が作れます。これは競合との差別化でもあり、「この人に頼みたい」という理由があれば、価格の比較検討から外れやすくなります。始めは「狭すぎる」と感じるくらいでちょうどいいです。

2. 提案力で「作る人」から「解決する人」になる

「言われたものを作る」ではなく、「課題を聞いてから最適な解を提案する」——この違いが単価に大きく影響します。

クライアントが「ホームページを作りたい」と言ってきたとき、そのまま要件をヒアリングして作る人と、「そのホームページで何を達成したいか」から逆算して提案する人とでは、同じアウトプットでも価値の重みが違います。前者はコストセンター、後者は投資対象です。

提案力を上げるには、まず「そのサイトが何のためにあるのか」を理解する習慣をつけることです。集客なのか、採用なのか、ブランディングなのか。目的が明確になれば、提案の視野が広がります。

3. 実績の「見せ方」を変える

同じ仕事でも、見せ方次第で受け取られ方が大きく変わります。「〇〇株式会社のコーポレートサイトを制作しました」より、「採用応募数が月3〜5件から15〜20件に増加したコーポレートサイトの制作」の方が、次の問い合わせ単価が変わります。

ポートフォリオに「成果・数字・課題と解決策」を入れる習慣をつけることで、「この人に頼んだら何が変わるか」が伝わるようになります。クライアントへのヒアリングで「どんな変化があったか」を聞いてまとめるだけでも十分です。

正直に言うと、私はしばらくこれをやっていませんでした。リニューアル後に「どうでしたか」と聞きにくくて放置していた時期があります。でも聞いてみるとほとんどのクライアントは喜んで教えてくれますし、その数字がそのまま営業素材になりました。

4. 「断る勇気」がターゲットを変える

単価が上がらない人の多くは、来た仕事を断れません。安い案件を受け続けていると「安い仕事が来る人」というポジションに固定されていきます。

基準の決め方で使える逆算があります。「月にいくら稼ぎたいか÷こなせる件数=1件あたりの最低単価」。たとえば月40万円を目指して月2件こなせるなら、最低ラインは1件20万円です。この数字を意識するだけで、5万円の案件を断る判断に迷わなくなります。

断ることで空いた時間が、新しい高単価案件を探す余地になります。「受けない基準を持つこと」はポジショニングの一部です。

5. 「時間単価」ではなく「価値単価」で考える

「このサイトを作るのに何時間かかるから、時間単価×時間=見積もり」という計算をしているうちは、単価の上限があります。時間は有限で、それに比例した金額にしかなりません。

視点を変えるなら、「このサイトがあることでクライアントにどれだけの価値が生まれるか」から逆算することです。月100万円の売上が見込めるECサイトの構築であれば、50万円の制作費はクライアントにとってリーズナブルな投資に映ります。

下流の価値を知るための一番簡単な方法は、初回ヒアリング時に「このサイトが完成したら、どんな状態になっていたら成功ですか?」と一言聞くことです。売上目標・採用目標・来店数など、クライアントが答えてくれる数字が、そのまま価値の基準になります。この質問をするようになって、提案書の中に「KGI」が自然に載るようになりました。

単価が実際に変わったきっかけ

私の場合、単価が変わったきっかけは二つあります。

一つは「提案書の書き方を変えたこと」です。それまでの提案書は「制作内容・ページ数・料金」という構成でした。これを「現状の課題・解決策・期待される効果・料金」に変えたところ、同じ金額でも「高い」と言われなくなりました。料金の前に「なぜその価格か」の文脈ができたからだと思っています。

提案書の構成 Before/After図解
提案書の構成をBefore/Afterで比較——「料金」の前に「文脈」を置く

もう一つは「ターゲット業種を絞ったこと」です。最初はWeb制作全般で受けていましたが、ある時期から士業・コンサルティング会社に絞って実績を積むようにしました。選んだ理由は単純で、「決済が早い」「ホームページへの投資意識が高い」「紹介文化がある」という業種特性が自分の働き方に合っていたからです。同業種での実績が3〜4件積み重なると、「この分野なら任せられる」という認知ができて、紹介が紹介を生むようになりました。

値上げのタイミングと伝え方

単価を上げる際に多くの人が悩むのが、既存クライアントへの伝え方です。

タイミングは「新規の問い合わせ時」が一番やりやすいです。既存クライアントへの値上げより心理的ハードルが低く、新しい価格帯で実績を作ることができます。

既存クライアントへ値上げを伝える場合、「値上げします」ではなく「提供できる価値を広げたため、次回からの料金を見直しさせてください」という伝え方が自然です。直前ではなく、案件の区切りや更新タイミングの少し前に伝えると、クライアント側も準備の時間が持てます。

値上げを拒否されることを恐れてずっと据え置きにするより、価格交渉に応じてくれるクライアントと長く続ける関係の方が、双方にとって健全です。

まとめ

単価が上がらない問題は、スキル不足より「見せ方・選び方・考え方」の問題であることの方が多いと思っています。

5つの視点を整理すると——専門化で「選ばれる理由」を作る、提案力で解決者になる、実績に成果を乗せる、基準を持って断る、価値から逆算して価格を決める——どれか一つ変えるだけでも、問い合わせの質が変わってくる感覚があります。

まず「自分のポートフォリオに成果・数字を載せる」ところから始めてみてください。すでに良い仕事をしているなら、あとはそれを正しく伝えるだけで変わることがあります。

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BASE KENT合同会社 代表 / クリエイティブディレクター

「空白をデザインする」をテーマに、Webコンテンツ制作とデジタルマーケティングを展開。
デジタルとリアルの境界線で、感性を刺激するクリエイティブを。
シンプルで機能的、そして「黒」の流儀を貫く。

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